気持ちをコントロールする力

「何事も我慢が必要。我慢する事で自分の気持ちを抑える事ができ、落ち着いて物事に取り組めるようになります」と言われる事がしばしばあります。でも発達障害の子ども達は、場面や状況を認識する力が弱く、何が生きるのかというイメージが持ちにくい事があります。その為、先の見通しが持てないまま、単に我慢するだけの行為になってしまいます。状況が分からないまま、我慢だけを強要していると、子どもはどうしていいのかわからず、かえって周りは困ってしまう行動をとりがちです。すると大人は、その出てきた行動を注意したり、止めたりしなくてはいけなくなります。そうなると、何を我慢していたのか子どもも、大人も分からなくなってしまうのです。

また、我慢だけを強いていると、子どもの自発性や要求行動を阻害してしまう事があります。それは、指示を待つだけで自分で考えない受け身的な行動を学習しているようなものです。発達障害のある子どもには、どのくらい我慢するのか、その先どうなるか、どんな行動をするのかを具体的に示してあげる事が大切です。このとき、言葉だけでなく、視覚的な手がかりを用いて示すと、子どもは理解しやすくなります。また、子どもに対して何を我慢させているのか、大人もはっきり自覚しやすくなります。

こうして、次に起こる事の見通しを持って待ち、少しずつ我慢する事も経験させ気持ちをコントロールする力を身につけさせます。そして、子どもが待てたり我慢出来た時にはしっかりとほめてあげるのです。すると、出来た事を子どもと大人で共有して一緒に喜ぶという良いサイクルが出来てくるでしょう。